2011年11月22日
み吉野の 山の秋風 小夜更けて
み吉野の 山の秋風 小夜更けて
ふるさと寒く 衣うつなり
みよしのの やまのあきかぜ さよふけて
ふるさとさむく ころもうつなり
吉野山からふきおろす秋風に夜はふけて、
古い都のあった吉野の里はひとしお寒くなり、
衣をうつきぬたの音が寒々と聞こえてくる。
参議雅経(さんぎまさつね)
2011年11月16日
田子の浦に うち出でて見れば 白妙の
田子の浦に うち出でて見れば 白妙の
富士の高嶺に 雪は降りつつ
たごのうらに うちいでてみれば しろたえの
ふじのたかねに ゆきはふりつつ
山部赤人(やまべのあかひと)
2011年10月18日
みかの原 わきて流るる いづみ川
みかの原 わきて流るる いづみ川
いつみきとてか 恋しかるらむ
みかのはら わきてながるる いずみがわ
いつみきとてか こいしかるらん
みかの原をわきいでて流れるいづみ川の名のように、
あの人をいつ見たというので、こんなに恋しいのだろうか。
中納言兼輔
(ちゅうなごんかねすけ)
2011年10月01日
吹くからに 秋の草木の しをるれば
吹くからに 秋の草木の しをるれば
むべ山風を あらしといふらむ
ふくからに あきのくさきの しおるれば
むべやまかぜを あらしというらん
むべ山風を あらしといふらむ
ふくからに あきのくさきの しおるれば
むべやまかぜを あらしというらん
ふくとすぐに秋の草木がしおれるので、 なるほどそれで山風をあらし(荒らし)というのだろう。 文屋康秀(ぶんやのやすひで) |